近年環境問題への問題意識から、食の安全や健康志向について関心が高まっています。
実はコーヒーの世界でも、「オーガニックコーヒー」は人気を博しています。オーガニック食品と聞くと安全で美味しいというイメージがありますが、コーヒーについては一概に「おいしい」とは言えないということ、知っていましたか?
カルディなどでも販売されており、身近になってきたオーガニックコーヒー。「オーガニック」の意味や味をしっかり知っておくと、コーヒーを選ぶ時に面白いかもしれませんね。
オーガニックコーヒーとは
オーガニック(有機)とは、農薬や化学肥料を使わずに生産された食品や農作物のことを指します。日本では食品に「有機」という表示をする際、「有機JASマーク」を貼ることが義務付けられています。この有機JASマークを貼るためには、農林水産省の定める認証を受けなければなりません。
コーヒーの生豆がオーガニックを謳う場合も例外ではなく、最初の収穫までの3年間以上、農薬や化学肥料を使用しないなどの認証を受けることが必要です。
また、販売されるコーヒー豆に有機JASマークを貼るには、焙煎業者や小分けを行う業者もJAS認定を受ける必要があり、それら厳しい認定によって有機生産であることが担保されているコーヒーであると言えます。
ブラジル・コロンビア・グアテマラ・エチオピアなど、各国にJAS認証を受けた農園があり、近年は豆の選択肢も増えてきました。
オーガニックコーヒーの味は美味しい!は嘘かもしれない?
オーガニック食品は安心で美味しいというイメージがありますが、コーヒーについては一概にそうとは言えません。
オーガニックであることは、あくまでも「農薬や科学肥料を使用していない」という意味であるため、品質が良いこととは関係していません。出荷後のコーヒーの品質は多くの場合、カッピングと呼ばれるテイスティングによって判断されますので、オーガニックだから美味しい(美味しくない)という判断をすることはできないのです。
コーヒーの栽培には、土壌の改善や病気・害虫の対策など非常に手がかかるため、農薬や化学肥料を使用しないコーヒーは痩せて特徴のないコーヒーである場合もあります。
また前述の通り、オーガニックとは農薬や化学肥料を使用していないことを担保しているに過ぎないため、農場や加工場がキレイで安全だとも言い切れないのが現状です。
オーガニックコーヒーは環境問題への配慮
とはいえ、環境問題や健康への関心が高いコーヒーファンの方には、オーガニックであることは大きな魅力でしょう。環境負荷への配慮は、ひとりひとりが小さな運動から始めることが大切とされています。もしお店で見かけたときは一度オーガニックコーヒーを飲んでみて、自分なりの美味しい・美味しくないの判断をしてみると良いでしょう。
また最近ではスペシャルティコーヒー専門店でも扱われることが増えてきているので、自分で淹れるコーヒーに慣れてきた皆さんも、美味しいオーガニックコーヒーを探してみてはいかがでしょうか?