バリスタは、コーヒーを淹れるプロフェッショナルです。コーヒー関連の人気職業であるバリスタですが、「バリスタになるのに資格を取ったほうがいいのかな?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか?

 

本記事では、バリスタになりたい人のために仕事内容や年収、バリスタの資格について詳しくご紹介します。

コーヒーのプロ!バリスタの仕事と年収とは

コーヒーが大好きな人にとって、憧れの職業であるバリスタ。

 

バリスタとは、「バールで働く人」を意味するイタリア語「バリスタ(barista)」が語源で、現在ではコーヒーショップやカフェで、挽いたコーヒー豆をさまざまな方法で抽出する仕事を行う人のことを指します。

 

バリスタの仕事内容は?

バリスタの主な仕事は、専門知識と経験、技術力を駆使してエスプレッソマシンやハンドドリップでコーヒーを淹れることです。エスプレッソにスチームミルクを加えて模様を描くラテアートも、バリスタの腕が試される分野でしょう。

 

ラテアートというとデザインばかりに注目が集まりますが、ツヤのある甘いミルクになるようスチーミングを完璧に行い、コーヒーの種類に応じてミルクフォームを調整するのもバリスタの仕事です。

 

バリスタは、「マシンや器具の使い方さえ知っていれば誰でもできる職業」ではありません。

 

コーヒーショップ独自のレシピを守り、すべて最高のカップとして責任を持って提供することが求められます。エスプレッソマシンでエスプレッソを淹れているときに多量の水がコーヒーの粉と触れず、均一に抽出されないことがあります。

 

これをチャネリングと呼びますが、抽出が不均一なエスプレッソは薄く、渋くて酸っぱいものに。バリスタはチャネリングが起こらないように、常に目を配る必要があります。

 

気になる年収は?

厚生労働省が実施した2020年度「賃金構造基本統計調査」によると、バリスタの平均年収は330万円でした。

 

年収は雇用形態や企業規模によっても大きく変わりますが、バリスタの年収は250万円~400万円がボリュームゾーンだと考えられます。しかしバリスタとして独立して自分の店舗を構えた場合には、年収がさらに上がる可能性があります。

 

大手企業勤務の場合には社会保険が完備されていることもありますが、個人経営のコーヒーショップやカフェ等では社会保険未加入のところもあるため、個人的に国民健康保険や国民年金への加入が必要になるでしょう。

バリスタに必要なスキルと適正

コーヒーへの並々ならぬ情熱から、バリスタに憧れる人も多いでしょう。ところで、専門職であるバリスタには、仕事をするに当たってどのようなスキルが求められるのでしょうか?

 

ここでは、バリスタが備えておくべきスキルと適正についてご紹介します。

 

コーヒーに関する正しい知識

バリスタはコーヒーを淹れるための知識や技術だけではなく、コーヒー豆や焙煎に関する知識を身に付けておかなければなりません。コーヒー豆とひと口に言っても品種、銘柄、産地、精製方法、焙煎具合によってその特徴は大きく変わります。

 

一流のバリスタになるほど豊富な知識を備えていますから、バリスタは知識欲が強い人に向いている職業です。

 

マルチタスク能力

優秀なバリスタになれるかどうかには、マルチタスク能力の有無が影響します。バリスタになったのであれば次々と入るオーダーを華麗にさばき、効率よく作業を行っていかなければなりません。

 

コーヒー1杯1杯に全神経を集中しながらも、接客やそのほかの業務も一切おろそかにはできない仕事です。小さな店舗のバリスタであれば、ワンオペですべての作業をこなさなければならないこともしばしばですから、マルチタスクが得意な人に向いています。

 

優れた接客力

どんなに素晴らしいコーヒーを提供するコーヒーショップでも、接客力が低ければ客足は遠のくでしょう。気難しい雰囲気のバリスタよりも、明るく丁寧に接客をしてくれるバリスタのほうが多くの人に好まれるのは当然のこと。

 

カフェを訪れる人の中には、コーヒーの味だけでなく、雰囲気を楽しみたいという人も少なくありません。そのため、バリスタを目指そうと思うなら目が回るほど忙しくても、すべての人に対して気持ちの良い接客ができることが大切です。

 

高いコミュニケーション能力

接客時はもちろん、ほかの従業員と共に働くときにも求められるのが高いコミュニケーション能力です。高いコミュニケーション能力は、忙しい職場には特に必要とされるでしょう。どれほど優秀なバリスタだったとしても、チームの一員として働けないのであれば戦力外とみなされても仕方がありません。

 

高い柔軟性

柔軟性を備えた人は、状況・変化に応じて適切な判断を下して行動でき、問題解決能力が高いのが特徴です。仕事にトラブルは付き物ですが、ワンオペともなれば、すべてのトラブルを一人で解決しなければなりません。さらに、機転が利くバリスタは優れた接客力を発揮しますから、顧客に愛されるでしょう。

 

日本国内の主なバリスタの資格

バリスタの国家資格はありませんから、特別な資格を持っていなくてもバリスタとして働けます。しかしながら、まったくの素人が、突然バリスタになれるほど甘い世界ではありません。資格を取得したからといってすぐにバリスタとして働ける訳ではありませんが、バリスタを目指しているなら、下記の民間資格を取得して知識と技術を深めることができるでしょう。

 

一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)認定の『SCAJコーヒーマイスター』

「SCAJコーヒーマイスター」とは、スペシャルティーコーヒーに関する調査や研究をはじめ、スペシャルティーコーヒーの啓蒙活動を行っている一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が認定しているコーヒーの資格です。コーヒーの知識を深めることを目的に設けられた資格で、日本スペシャルティコーヒー協会から送られるテキストに沿って学習した後、カッピング等の実技試験を受けます。

 

一般社団法人 日本バリスタ協会(JBA)認定の『JBAバリスタライセンス』

「JBAバリスタライセンス」とは、日本国内のバリスタの資質向上を目指して設立された、一般社団法人 日本バリスタ協会(JBA)が認定している資格です。JBAバリスタライセンスはレベル1、レベル2、レベル3と分けられており、それぞれ受験する前に協会の認定校で講座を受講して修了しておかなければなりません。受講条件が設けられており、誰でも受験できる訳ではないので注意しましょう。こちらの資格は一般消費者ではなく、すでにバリスタとして活躍している人向けです。

 

全日本コーヒー商工組合連合会認定の『コーヒーインストラクター検定』

「コーヒーインストラクター検定」とは、全日本コーヒー商工組合連合会が2003年から実施している資格認定制度です。コーヒーインストラクター3級、2級、1級、そしてコーヒー鑑定士と4つのレベルに分けられており、コーヒー業界に携わっている人のみならず、一般消費者でも受験可能な資格です。コーヒーインストラクター3級は試験を受ける必要はなく、コーヒーに関する基礎知識を学べる講習会を受講するだけで取得できます。

 

上記以外にも、【ラーキャリ】が提供する『コーヒープロフェッショナル』通信講座で、コーヒーの資格を取得できます。オリジナルテキストの教材を履修し認定試験で合格すると、「一般社団法人 日本技能開発協会」認定の資格が与えられます。

 

未経験者からバリスタになるには?

専門職とはいえ、未経験者でもバリスタの仕事に就くことは可能です。どのようにバリスタの職に就くことができるのか、どのようにキャリアアップできるか、海外のバリスタ事情などについてご紹介します。

 

バリスタになるためにできること

バリスタになりたいのであれば、バリスタ募集の求人広告を常にチェックしておきましょう。

 

経験者が優遇されるのは当然ですが、探せば未経験者でも応募可能な求人が見つかるかもしれません。最初はコーヒーショップやカフェでフロアスタッフ、キッチンスタッフとして働きながら、バリスタの仕事を目指すこともできます。コーヒーに関する資格を取得しておくなら、仕事獲得に役立つでしょう。

 

どうやってキャリアアップするの?

バリスタのキャリアアップには、経験を積むことがなによりも大切です。経験を積んで徐々に役職をアップさせることが、キャリアアップ成功の秘訣だといえるでしょう。同じ店舗で働き続けるバリスタもいますが、有名コーヒーショップを転々として技術を磨くバリスタも多くいます。

 

バリスタの競技に参加することも、キャリアアップに繋がるはずです。ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ (JBC)でチャンピオンの座を獲得すれば、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)行きの切符を手に入れることができます。

 

また、バリスタとしてキャリアアップしたいなら、海外でバリスタ修行をするのもひとつの方法です。日本よりも早くバリスタが活躍している国々では、ハイレベルな知識と技術を兼ね備えたバリスタたちが大勢います。コーヒーの味にうるさい顧客も多く、率直な意見をぶつけられることもあるでしょう。海外のコーヒーショップで揉まれ、バリスタの腕を磨くなら転職の際に有利になるかもしれません。

 

海外のバリスタ事情

バリスタは2020年から2025年に向けて、世界的に高い成長率を見込める分野の仕事でもあります。海外のバリスタの平均時給は国によって異なりますが、オーストラリアのメルボルンで15~24 AUD、アメリカ全体で13 USDです。

 

アメリカの場合、シアトル、ニューヨーク、ロサンゼルスといった都会は平均時給が16、17USDほどとほかの地域より高く、加えて1日当たり18USDほどチップが加算されます。

 

海外も日本と同様、資格がなくてもバリスタとして働ける国がほとんどです。未経験者より経験者、無資格者より有資格者が優遇され、語学力や計算力に加え、コミュニケーション能力やマルチタスク能力が求められます。バリスタとして雇われたとしても、最初はマシンすら触らせてもらえないこともあり、しばらくはほかの作業を行わなければならないかもしれません。

 

海外でバリスタとして働こうと思うのであれば、現地のバリスタトレーニング機関、教育機関に通ってから目星をつけたコーヒーショップに直接交渉しに行くか、バリスタの求人に応募できます。海外で働く際には、ふさわしいビザを取得しておくことを忘れないようにしましょう。

人気通信講座の紹介

海外のカフェでは、バリスタの職業としての人気が高く競争率も高いようです。また国内の有名カフェの求人も応募が殺到しやすい傾向にあります。

 

自分が働きたいと思うカフェで働くには、事前準備が大切。他の応募者と差をつけるためにも資格取得が有効になってきます。

 

「海外のカフェで働きたい」「国内の有名カフェで働きたい」と思っている方におすすめなのが、自宅にいながら簡単に資格取得できる『ラーキャリ』です。

 

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