うつ病が世間一般に周知されるようになってから、うつ病に苦しむ人は増え続けています。うつ病は治ったようでも再発しやすい病気なので、予防することがなによりも大切です。うつ病予防のためにできることはいろいろありますが、意外なことにコーヒーにもうつ病を予防する効果があるのだとか。

 

本記事ではコーヒーがうつ病にかかるリスクを下げる可能性が高い理由についてご紹介します。

 

関連記事:コーヒーが脳のゴミを取り除くのに役立つ?!【もの忘れがひどい人にコーヒーがおすすめな理由】

関連記事:コーヒーを飲むと眼圧が低くなる?! コーヒーが目に与える影響についてご紹介します!

世界中で増え続けるうつ病患者

気分の落ち込み

うつ病は歯周病や糖尿病と同じように、誰もがかかる可能性を持つ病気です。ここではうつ病の原因と予防についてまとめてみました。

うつ病は誰でもかかる病気

WHO(世界保健機関)の調べによると、世界中で2億6400万人以上もの人がうつ病に苦しんでいるといいます。現在、新型コロナウィルスの影響からうつ状態になる人が増えているため、うつ病患者の数はこれからも増加すると予測できるでしょう。

 

一般的にうつ病は心理的、社会的、生物学的要因の相互作用で生じると考えられています。脳内の神経伝達物質の働きが悪くなると同時に、ストレスやからだの病気、環境の変化などが重なって発症するようです。

 

とくに失業や死別、精神的外傷を経験した人は、うつ病を発症する可能性が高くなるのだとか。さらに最近の研究で、うつ病と身体的な健康の間には深い関わりがあることが判明しました。例えば、心血管疾患を患うとうつ病になる可能性が高くなり、その逆もあり得るといわれています。

 

心血管疾患は遺伝的要因のほか、生活習慣病や喫煙などが原因でかかる普遍的な病気です。それと同様にうつ病も特別な病気ではなく、誰でもかかる可能性がある病気だといえるでしょう。

うつ病は予防できる?

うつ病になると気分の落ち込みだけではなく、不安症状や睡眠障害、食欲不振や自尊心の低下、集中力の低下といった症状が現れます。うつ病は放って置くとどんどん悪化することがあり、重症になるとなかなか回復しにくい病気です。手に負えなくなるほどひどい状態になると自分はもちろん、大切な周りの人たちをも不幸にしてしまいますから、予防を心掛けなければなりません。

 

ストレスの軽減や適度な運動、太陽の光を浴びることや栄養バランスの良い食事を摂ることなどに気をつけるなら、うつ病の予防に役立ちます。また、意外に思えるかもしれませんが、コーヒーを飲むことも、うつ病にかかるリスクを減らすのにひと役買ってくれることがさまざまな研究から明らかになりました。

 

フィンランドとアメリカで行われたうつ病とコーヒーの関係性についての研究では、コーヒーをまったく飲まない人よりも、1日数杯ほどコーヒーを飲む人のほうがうつ病にかかりにくことが判明しています。

 

関連記事:毎日コーヒーを飲むのは健康に良い? コーヒーの成分と主な効果を解説します!

コーヒーがうつ病発症リスクを低減する3つの理由

ホットコーヒー

コーヒーを飲めばうつ病にかかりにくくなるなんて、とても信じられない! 」という人もいるのでは?

 

そこで、コーヒーがうつ病発症のリスクを下げると考えられている理由についてご紹介します。

コーヒーにリラックス効果があるから

「コーヒーの香りを嗅ぐとホッとする」という人も多いのではないでしょうか? コーヒーの香りにリラックス効果があるといわれるのは、コーヒーを飲むと脳波の種類のひとつである「α派」が出るからにほかなりません。コーヒーの豊かな香りでリラックスした脳がα派を発すると、βエンドルフィンと呼ばれるホルモンが分泌されます。

 

脳内の神経伝達物質であるエンドルフィンにはα(アルファ)エンドルフィンとβ(ベータ)エンドルフィン、そしてγ(ガンマ)エンドルフィンの3種類があります。それらの中でもβエンドルフィンには苦痛を取り除く作用があり、心身のストレスを軽減するのに重要な役割を果たすのだそう。うつ病の予防にはストレスを軽減することが大切ですから、コーヒーを飲むことはうつ病予防に効果的だと考えられます。

ドーパミンを増加させるから

脳内にはさまざまな神経伝達物質が存在しますが、うつ病にかかわっているのは主にノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンの3つです。うつ病になると神経細胞が炎症を起こして、これらの神経伝達物質が不足します。

 

うつ病の予防と悪化を防ぐためにも、3つの神経伝達物質が足りた状態を保つ必要がありますが、じつはコーヒーに含まれているカフェインにはドーパミンを増加させる効果が。これはカフェインが細胞への再吸収を阻害することで、ドーパミンを増やすからです。また、眠気を引き起こす物質であるアデノシンの代わりに、アデノシンに構造がよく似たカフェインがアデノシン受容体に結びつき、ドーパミンの作用抑制を阻害します。

 

ドーパミンには幸福感や気分の高揚をもたらす働きがありますが、足りなくなるとうつ病だけではなく、パーキンソン病を発症することで有名です。不安やストレスを抱えるとドーパミンは減りますから、コーヒーを飲むなどして上手にストレスを緩和するようにしましょう。

血栓ができにくくなる

血管内に血のかたまりである血栓ができると、脳梗塞や心筋梗塞といった心血管疾患にかかりやすくなります。ところが、コーヒーには血栓を作りにくくする働きがあることが、マウスを使ったとある実験でわかりました。この実験によると、水を飲ませたマウスとコーヒーを飲ませたマウスでは、コーヒーを飲ませたマウスのほうが血栓ができにくかったそうです。

 

さらに、コーヒーには血管に柔軟性を保たせて、血管年齢を若返らせる働きがあるとの報告もあります。通常、血管は年齢を重ねるごとに老化して柔軟性を失い、肌トラブルや冷えのほか、心血管疾患になるリスクは高まるものです。先述した通り、心血管疾患はうつ病発症のリスクを上げる要因になりますから、ぜひコーヒーを飲んで予防に努めたいですね。

 

関連記事:コーヒーが寿命を延ばす?! ドリップコーヒーが健康に良い理由とその歴史とは?

おわりに

微笑むマグカップ

コーヒーだけでうつ病の発症や重症化を防ぐことはできませんが、定期的に飲めばうつ病にかかるリスクを低減するのに役立ちます。しかし飲み過ぎてしまうとカフェイン中毒になる心配があるため、コーヒーを飲むのであれば1日2、3杯程度にとどめておくようにしましょう。

 

関連記事:【カフェイン過敏症?】コーヒーを飲んだあとに動悸を感じたら要注意!その原因や対処法・治し方を解説します

 

参照サイトURL:

https://www.who.int/

https://ci.nii.ac.jp/

https://www.nestle.co.jp/

関連キーワード
コーヒー, 知識の関連記事
  • コーヒーメーカーの選び方と注意点【自宅で本格コーヒーが飲める】
  • 【夏のおすすめ】時間が経っても美味しい氷コーヒーの作り方とポイント
  • 人気コーヒーショップが横浜に集結!YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL Vol.2を開催
  • カッピング
    『Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)』が提供するカッピング技術の新しいトレーニングプログラムとは?
  • コーヒー初心者が味を知る ~味覚・焙煎・豆の種類による違いとは?~

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう