胸の鼓動が高鳴り、息苦しくなることを『動悸』といいます。動悸の原因としてよく挙げられるのは肺炎や心筋症といった循環器疾患ですが、じつは『コーヒー(カフェイン)』も動悸の原因になってしまうことがあるのです。
もちろん、普通にコーヒーを楽しむ分には動悸の心配はありませんが、飲み方によっては注意が必要になります。ここではコーヒーが動悸の原因になるパターンを解説していきます。
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目次
息苦しい動悸とコーヒーの関係
日常生活で胸が高鳴ることは珍しくありません。例えば緊張したときやミスをしてしまったときなど精神的なことから動悸が激しくなる人もいるでしょう。
ですが突如、襲ってくる『謎の動悸』には“コーヒーのカフェイン”が関係しているのかもしれません。カフェインには眠気防止や集中力の向上、強心作用といった覚醒作用があることは有名ですが、そのメカニズムはご存知でしょうか。人間の体内には『アデノシン』という物質があり、主な働きは……
・睡眠を誘発
・頭痛などを誘発
・筋肉を弛緩させ、血管を拡張する
・心拍数を穏やかにする
・腎臓への血流を穏やかにする
などが挙げられます。
カフェインはこのアデノシンの働きを抑制する効果があるのです。ですが、アデノシンは生体内で重要な役割を担っており、カフェインによって何度もその作用を抑制してしまうのは危険です。
上記にも挙げましたが、アデノシンの働きの1つに『心拍数を穏やかにする』というのがあります。カフェインの『強心作用』とは、このアデノシンの作用を抑制することで発揮しているのです。
つまり、コーヒーを飲んで動悸を感じた場合はカフェインが作用しているということになります。
この動悸が慢性的なものになると、人によっては不安を感じパニック障害や精神障害を引き起こしてしまう恐れが出てきます。
もちろん、普通にコーヒーを飲んでいるのであれば、このような心配はありません。しかし、『普通の摂取量』というのは曖昧で分かりにくいですよね。
次項では適度なコーヒーの摂取量を解説していきます。
動悸に注意? 一日に摂ってもいいカフェインはどのくらい?
欧州食品安全機関(EFSA)によると1日のカフェインの摂取上限は約400mgとしています。これをカップ数(1カップ180ml)に換算すると『コーヒーの適量は1日3~4杯』と言われています。
また、1度に摂取しても問題ないとされるカフェインの上限は200mgです。
この量を越えてカフェインを摂取すると動悸、吐き気、めまいといった体調不良を起こしかねません。
これらの症状は『カフェイン中毒』の可能性があります。カフェインの過剰摂取はコーヒーだけではなく身近なカフェイン飲料の飲みすぎにも注意しましょう。
例えば紅茶に含まれるカフェインは約75mg、煎茶やウーロン茶は約50mg、エナジードリンクに至っては1本で150mg以上のカフェインを含有している商品もあります。
カフェイン入りの飲み物を飲んだあとに動悸などを感じたら、1度飲むのを止め数時間置くか、その日は控えるようにしてください。
続いてカフェイン中毒の症状に似たカフェイン過敏症という症状について解説します。
誰にでも起こりえる?カフェイン過敏症による動悸
カフェイン中毒はカフェインの過剰摂取によるものですが、カフェイン中毒と似た症状に『カフェイン過敏症』というものがあります。
カフェイン過敏症は別名コーヒーアレルギー、カフェインアレルギーとも呼ばれ、誰にでも発症する可能性があります。
症状としてが痒み、頭痛、動悸、吐き気などが挙げられますが、他にも焦燥感や幻聴・幻覚、不安など精神的な変調も引き起こすことがあります。
カフェイン過敏症で注意しなければならないのは『じつはカフェイン過敏症なのに気付いていない』場合です。
カフェイン過敏症は一律に『カフェインを摂った瞬間に発症』するわけではないのです。コーヒー1杯で発症する人や、2,3杯で発症する人など個人差があります。自分がカフェイン過敏症かどうかは病院の検査で知ることができますが、現時点では完治させるのは難しいと言われています。
続いてはコーヒー(カフェイン)を摂取する時間帯と動悸の関係を解説していきます。
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起床後のコーヒーの注意点!朝コーヒーは良い?悪い?
それぞれのライフスタイルによってコーヒーを飲む時間帯は違いますよね。ですが、なかでも多いのは『朝にコーヒーを飲むスタイル』ではないでしょうか。
朝といっても『起床後すぐに飲む』という人や『朝食時に飲む』、『朝食後に飲む』など細かく分かれると思います。
米国軍保健衛生大学のスティーブ・ミラー博士によると『起床してすぐのコーヒーは体調不良になってしまう可能性がある』と指摘しています。ミラー氏の発表によると起床時の人間の身体はコルチゾールという物質を多く分泌しており、そのタイミングでカフェインを摂取すると神経に負担を掛けてしまうということです。
コルチゾールは起床後1時間半~2時間ほどすると減少していくので、コーヒーを飲む理想の時間帯は午前9:30~11:30(起床8時と仮定して)になります。
そして、もう1つ大事なのは胃の状態です。胃の中が空っぽの状態でコーヒーを飲んでしまうと、胃がカフェインを多量に吸収してしまい、動悸や頭痛、吐き気といった症状を引き起こす恐れがあります。
そのため空腹時のコーヒーの飲用は控えるようにしましょう。では、もしもコーヒー飲用後に動悸を感じたときはどのように対処すればいいのでしょうか。
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動悸を鎮める民間療法・治し方
コーヒーが原因となる動悸はカフェインが元となっているので、まずは身体のカフェインを薄める必要があります。
単純な対処法ですが『水を飲む』のをおすすめします。
深呼吸をして安静にするなど『身体』と『気持ち』を落ち着かせるのも単純かつ効果的な方法になります。また、東洋医学に『動悸を抑えるツボ』というものがあります。1つは『神門』と呼ばれるツボで、手の平の付け根、小指側にやや凹んでいるところがあると思います。
そこを親指で左右交互に押すことで動悸が緩和されると言われています。もう1つのツボは『膻中(だんちゅう)』というもので、左右の乳頭を結んだ真ん中の部分になります。呼吸を整え、このツボを両中指で1分ほど押すと動悸が鎮まると言われています。
ですが、明らかに症状が重いと感じた場合はすぐに病院に行くようにしてください。激しい動悸や吐き気、頭痛、めまい、痒みなどが発症するのはカフェイン中毒やカフェイン過敏症の疑いがあります。
この記事を読んで「ちょっとコーヒー飲み過ぎかな?」と気を配れるようになってもらえれば幸いです。
恋は身体に悪い
昔に比べると足腰が多少弱くなってきたものの、まだまだ病気とは無縁な身体である。しかし、不思議なもので歳を重ねると惚れた腫れたといった色事に関心が薄れていくのはなぜだろうか?
この原因として考えられるのは過去に普通の人よりもキュンキュンしてきたからではないかと推察する。若い時分、僕は惚れっぽく意中の女性の一挙一動に激しく胸を高鳴らせたものだ。
はたから見れば、なんともメデタイ野郎だと思われるかもしれないが、胸を高鳴らせてる側からしてみれば、ただただ苦しいだけなのである。
この動悸のせいで睡眠不足を始め、食欲不振、注意散漫、焦心苦慮な状態に陥ってしまい自分のみならず、周囲にまで悪影響を与えてしまった。
それで恋が実っていればまだ救いようがあるものの大抵『動悸を伴なう恋』というのは失敗に終わるのが常である。
長くなってしまったが、僕は本気で恋をすると体調不良になってしまう。ここ最近の心の平穏は過去の失敗から学んだ賜物ではないだろうか。
最後になるが、実は「焙煎したてのコーヒー」と「時間が経過して酸化しまったコーヒー」では、味の違いだけでなく身体に与える影響も異なるのだ。
もし僕が本気の恋のお供に選ぶとしたら、間違いなく動悸が起こりにくい新鮮なコーヒー。失敗続きの「動悸が伴う恋」にならぬよう、「動悸が伴わないコーヒー」を飲みたいものだ。