おいしい朝ごはんは、1日のはじまりを幸せにしてくれます。たとえ毎日同じトーストにコーヒーの朝ごはんだったとしても、ジャムやトッピングソースさえ変えれば飽きることもありません。

 

少し変わったジャムもしくはトッピングソースをお探しなら、ラテンアメリカの伝統的なキャラメルの一種で中米を中心に広くの国々で食されている「ドゥルセ・デ・レチェ」を試してみてはいかがでしょうか? まったりと濃厚で練乳に似た味のドゥルセ・デ・レチェは、トーストのお供にぴったり。

 

本記事では、ドゥルセ・デ・レチェの起源のほか、ドゥルセ・デ・レチェと相性の良いコーヒーやそのほかの飲み物をご紹介します。

 

朝ごはんを幸せにする「ドゥルセ・デ・レチェ」

日本ではあまりお目に掛かりませんが、南米では非常にポピュラーなドゥルセ・デ・レチェ。ここでは、ドゥルセ・デ・レチェの起源やトリビアをまとめてみました。

 

ドゥルセ・デ・レチェとは?

ドゥルセ・デ・レチェとは、主に南米で食べられているミルクジャムのことです。伝統的なレシピに沿って作られるドゥルセ・デ・レチェは、ミルク、砂糖、バニラが使用されますが、最近ではクリームを追加したり、ハチミツを使用したりするなどのバリエーションがあります。

 

ドゥルセ・デ・レチェはキャラメルによく似た味で、室温でも冷やした状態でも形状はほとんど変わらず、ネバネバしているのが特徴です。さらに加熱すればトロトロの液状になるため、ワッフルやパンケーキ、マフィンやアイスクリームのトッピングとしても使用できます。生産国やブランドによって味や色味に違いはありますが、南米ではトーストと一緒に朝食のテーブルに並ぶことが多いようです。

 

ドゥルセ・デ・レチェの起源

ドゥルセ・デ・レチェの起源には諸説ありますが、1804年にナポレオン・ボナパルトに仕える料理人が、うっかりミルクと砂糖を煮詰め過ぎてしまい出来た偶然の産物だと主張する人もいます。また、歴史家のダニエル・バルマセダは、インドネシアで作られていたドゥルセ・デ・レチェに似たお菓子が、16世紀頃フィリピンに伝わった後にスペインに運ばれ、南アメリカに伝わったと述べています。

 

一方アルゼンチンでは、別の起源説が存在します。1829年、ブエノス・アイレスの知事であったフアン・マヌエル・デ・ロサスの邸宅を、従兄弟のフアン・ラバージェが和平協定に署名するために訪れました。ところが、知事の帰宅を待っていたラバージェは、待ちくたびれてベッドで眠り込んでしまいます。それを見つけた召使いが見張りの兵士に知らせようとしますが、彼女は砂糖と牛乳を火にかけたまま飛び出しました。

 

帰宅した知事にマテ茶を持って行こうとして、ようやく鍋を放置したままであることに気付いた召使いは、鍋の中身がキャラメルのようなものに変わっているこをと発見します。仕方なくキャラメル状の物体を主人に差し出すと、意外にも好評で、客人として訪れていたラバージェにも振る舞われました。このように、アルゼンチンでもドゥルセ・デ・レチェは偶然がきっかけとなって誕生したと伝えられているようです。

 

ドゥルセ・デ・レチェにまつわるトリビア

アルゼンチンやウルグアイでは、ドゥルセ・デ・レチェと呼ばれています。ほかにもブラジルではドセ・ヂ・レイチ、メキシコではカヘータ、ボリビアではマンハール・ブランコ、パナマではアレキーペ、そしてフランスではコンフィチュール・ド・レと呼ばれています。

 

主に南米で親しまれているドゥルセ・デ・レチェですが、10月にはドゥルセ・デ・レチェをお祝いする日が存在するのだそう。スーパーマーケットやアイスクリームショップには、ドゥルセ・デ・レチェ味のお菓子やアイスクリームがたくさん並ぶといいます。

 

2003年には、ドゥルセ・デ・レチェを美食遺産と見なすべきだとウルグアイが提唱します。それに対抗して、アルゼンチンはドゥルセ・デ・レチェを文化遺産に登録しようとしますが、この試みは失敗に終わりました。

 

ドゥルセ・デ・レチェとコーヒーのペアリングについて

トッピングソースとしても使えるドゥルセ・デ・レチェは、おやつタイムのお供としても活躍します。ドゥルセ・デ・レチェのおいしさを引き立てるには、どのようなコーヒーが合うのでしょうか? ドゥルセ・デ・レチェとペアリングするのに最適な、相性の良いコーヒーについてご紹介します。

 

ドゥルセ・デ・レチェにはブラジル産コーヒーをペアリング

なめらかな舌触りと優しい甘みが特徴のドゥルセ・デ・レチェは、コーヒーとの相性も良く、トーストに塗って朝食に、クラッカーやビスケットに塗っておやつとして食べるのにぴったりです。ドゥルセ・デ・レチェと相性の良いコーヒーをペアリングしたいなら、ブラジル産のコーヒーはいかがでしょうか?

 

ブラジル産のコーヒーは種類によって味や風味が異なりますが、アラビカ種のコーヒーでも酸味の中にコクが感じられるものが多いようです。ブラジル産のコーヒーはフルーティーというよりも、チョコレートやナッツのような香ばしい風味がするので、甘いドゥルセ・デ・レチェと相性が良いでしょう。

 

カフェ・ラグリマとの相性も抜群

アルゼンチンには、カフェ・ラグリマと呼ばれるアレンジコーヒーが存在します。ドゥルセ・デ・レチェに合わせるのであれば、カフェ・ラグリマもおすすめです。カフェ・ラグリマとは、泡立てたミルクに濃いめに淹れたコーヒーをほんの少し加えたもので、200㏄のミルクを入れたカップに、スプーン1杯分のコーヒーを加えれば完成です。カフェ・ラグリマを作るときには、エスプレッソやインスタントコーヒーなど、お好みのコーヒーを使うことができます。

 

マテ茶に合わせて

コーヒーではありませんが、ドゥルセ・デ・レチェはアルゼンチンやブラジル、パラグアイで飲まれているマテ茶とも相性が良いです。マテ茶とは、モチノキ科の潅木の葉や枝を乾燥させて作るお茶で、鉄分やカルシウムといったミネラルのほか、ビタミンAやビタミンB、葉緑素を含み「飲むサラダ」と呼ばれています。疲労回復や食欲を促進する効果があるといわれていますが、肉食料理が食卓に並ぶことが多く、野菜不足に陥りがちな南米の国々では、マテ茶を飲んでビタミンを補うこともあるようです。

 

グァンボと呼ばれる壺にマテ茶を入れて、ボンビージャという専用ストローを差し込み、お湯を足しながら何人かでまわし飲みするのが、伝統的なマテ茶の飲み方です。もちろんポットを使用して、紅茶と同じ要領で淹れることもできます。そのまま飲んでも良いですが、砂糖やミルク、ハチミツ、リキュール、ドゥルセ・デ・レチェをお好みで加えても良いでしょう。

 

コーヒーとドゥルセ・デ・レチェで豊かな朝を迎えて

寒くなるとベッドから抜け出し難くなりますが、朝ごはんにちょっとした楽しみがあれば、思い切って起きられるかもしれません。

 

トーストやクラッカー以外にも、パンケーキやヨーグルトにプラスできるドゥルセ・デ・レチェ。南米で大人気のミルクジャムはコーヒーとの相性も良いので、コーヒーが好きな人の朝ごはんのお供におすすめです。

 

中には、朝ごはんを抜く人もいるようですが、朝食に食べたいものを食べて、夕食を低カロリーに抑えたほうが全体として血糖の上昇を抑制できるといいます。ダイエット中だったとしても朝ごはんのときに甘いものを食べるようにすれば、ストレスなくダイエットを成功させられるかもしれませんね!

 

 

参照サイトURL:https://theculturetrip.com/

 

 

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