自宅でコーヒーを淹れるときペーパードリップに挑戦してみたいけど、肝心のコーヒードリッパーがいろいろありすぎて、どれを選べばいいのかわからない。そんな声を多く耳にします。
そこで今回は、ペーパードリップに用いられる代表的なコーヒードリッパー5種類について、それぞれの形状の違いやメーカーごとの特色などをご紹介していきます。
ペーパードリップの淹れ方を知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
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目次
定番のドリッパー5種類を比べてみよう
今回ご紹介するコーヒードリッパーは、以下の5種類です。
① HARIO V60透過ドリッパー(ハリオ式)
② 珈琲サイフォン コーノ名門フィルター(コーノ式)
③ カリタ 102D(カリタ式)
④ メリタ アロマフィルター1×2(メリタ式)
⑤ カリタ ウェーブドリッパー185(ウェーブ式)
まずはそれぞれのコーヒードリッパーの形状から見ていきます。
【ハリオ式】V60透過コーヒードリッパー
『V60透過ドリッパー』に代表されるハリオ式の特長は、底の部分に空いた指先ほどの大きな穴と、その穴へ向かって渦を描くように伸びるスパイラルリブ。全体の形状は円錐形をしています。
このリブに沿ってお湯が回転しながら落ちていくため、ドリッパー内での滞留時間は長めで、コーヒー成分をしっかり抽出することができます。
また、ペーパーフィルターの先端がドリッパーの底から出ているので、ドリッパーの穴がボトルネックにならず、お湯を注ぐスピードによって抽出液の落ちるスピードをコントロールしやすいのも特長のひとつです。
【コーノ式】コーノ名門フィルター
コーノ式の『コーノ名門フィルター』も円錐型のドリッパーです。底部には指先ほどの大きさの穴がひとつあり、その周囲に短い直線状のリブが設けられています。
この構造により、リブのないドリッパーの上部はパーパーフィルターが密着するため、お湯が滞留しやすくしっかり抽出が行えます。
一方、下部は高さのあるリブがフィルターの張り付きを防ぐことで、抽出液が必要以上に留まることなく、すばやく流れ落ちるというわけです。
ハリオ式と同様、ペーパーフィルターの先端がドリッパーの底から出ているため、抽出液の流れがスムーズで、抽出スピードのコントロールしやすいのも特長です。
【カリタ式】102D
カリタ式の102Dドリッパーは、ハリオ式やコーノ式に比べると底の部分が広い台形型をしています。
この台形の底辺部分に直径2ミリ程度の小さな穴が3つ、一列に設けられているのがカリタ式の特長です。
円錐型ドリッパーに比べ、湯だまりの良い台形型ですが、カリタ式はこの3つ穴が抽出速度を速めているため、お湯の抜けは見た目以上に速いです。底に向かってまっすぐ付けられたリブもその手助けをしています。
また、円錐型ドリッパーほどではないですが、お湯を注ぐスピードによって、多少の抽出速度コントロールも可能です。
【メリタ式】アロマフィルター1×2
ペーパードリップの元祖といわれるメリタ式のドリッパーも底の広い台形型。抽出液の出口となる穴は、直径1~2ミリほどの小さい穴がひとつだけなので、じっくり時間をかけて抽出が行えます。
今回使用する『アロマフィルター』は、その穴がドリッパー底部から1センチほど上の壁面に設けられているため、お湯の滞留時間がより長く、濃厚な味と香り、コクを引き出すことができるとされています。
構造上、注湯速度などによる抽出のコントロールがしにくい反面、出来上がりのブレが少なく、味が安定しやすいというメリットもあります。
【ウェーブ式】ウェーブドリッパー185
台形型ドリッパーの底部分を広く平らにした、独特の形状をしている『ウェーブドリッパー』。
その最大の特長は、お湯と空気の流れをコントロールするリブがドリッパーになく、その機能を専用の『ウェーブフィルター』に持たせていることです。
フィルターをひだ状に加工することでドリッパーとの密着を物理的に防ぎ、空気の通り道を大きく確保し、安定した抽出を可能にしています。
抽出穴は等間隔に3つあり、落ちるスピードは速め。お湯の注ぎ方でコーヒーの仕上がりを加減できる自由度の高さもこのドリッパーの特長といえるでしょう。
【POINT】
それぞれのドリッパーに対応した専用のペーパーフィルターが各社から発売されていますが、ドリッパーの形状(円錐型・台形型)とサイズ(1~2杯用・2~4杯用)さえ合っていれば、廉価な汎用品でも問題なく使用できます。唯一、『ウェーブドリッパー』はそうした汎用品がないので、専用のカリタ『ウェーブフィルター』が必要です。
・ドリッパーの種類と適合するペーパーフィルター ハリオ式・コーノ式:円錐型 カリタ式・メリタ式:台形型 ウェーブ式:ウェーブフィルター(専用品) |
代表的な5種類のドリッパーの大まかな特長がわかったところで、【後編】ではお湯の落ちる速さや味の傾向などを検証してみたいと思います。
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