スペシャルティコーヒーが世間に浸透すると共に、「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」の名前を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。スペシャルティコーヒーと深い関係がある「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」ですが、本記事では2021年に開催される新しいカッピング技術向上のためのトレーニングプログラムについて詳しくご紹介します。
関連記事:世界1位のコーヒーを決める祭典『カップ・オブ・エクセレンス』その厳しい審査基準とは?
関連記事:コーヒー通に人気の「シングルオリジン」ってどんなコーヒー? 徹底解説します!
目次
スペシャルティコーヒーと深い繋がりがある『Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)』
「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」は、スペシャルティコーヒーとどのような関係があるのでしょうか?
「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」の役割とは?
「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」は、アメリカ・オレゴン州のポートランドに拠点を置く非営利組織「Alliance for Coffee Excellence」によって運営されている、最高品質のスペシャルティコーヒーが集まる品評会です。
一般的に流通経路が明らかで、徹底した品質管理がなされた高品質なコーヒーのことをスペシャルティコーヒーと呼びます。スペシャルティコーヒーは、風味を損なう虫食いやカビの生えた豆、焙煎時に焦げやすい奇形の豆や割れた豆などの混入が少なく、各国のスペシャルティコーヒー協会が実施する品評会やテストに合格しなければなりません。
品評会とは切っても切り離せない関係にあるスペシャルティコーヒーですが、世界一評価が厳しいことで知られる審査プログラムである「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」を受賞したコーヒーは、インターネットオークションを通して世界中で売買されることになります。
その売り上げのほとんどは直接コーヒー生産者に渡るため、「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」は、素晴らしいコーヒー生産者を発見し、支援するのに欠かせないプログラムだといえるでしょう。
「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」の教育プログラム
スペシャルティコーヒーを判定するときには、「甘さ」「酸味の質」「味のきれいさ」「フレーバー」「口に含んだ質感」「後味」「バランス」「総合評価」の項目で評価されます。審査の際にはコーヒーにまつわる情報は一切開示されることがなく、評価はカッピングで行われるのが特徴です。
「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」は品評会だけではなく、コーヒーカッパーがコーヒーをより正確に、自信を持って評価するためのトレーニングプログラムも実施しており、カッピングの技術向上に貢献しています。
通常、「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」が開催する教育関連のイベントはコーヒーの原産国で行われ、現地のコーヒー農園を訪れて摘み取りや加工が行われるのを実際に見ることが可能です。しかし、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大の影響を受けて、これまでの教育イベントやトレーニングプログラムの内容を変更せざるを得ない状況に追いやられました。
関連記事:【高品質・最高峰】サードウェーブの代名詞『スペシャルティーコーヒー』の歴史と定義とは?
新しいトレーニングプログラム『SENSORY EDUCATION TRAINING』とは?
スペシャルティコーヒーの品評会の中でも、注目度が高い「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」のトレーニングプログラムとは、いったいどのような内容なのでしょうか?
時代に沿ったトレーニングプログラム
新型コロナウィルスの影響はあらゆる分野におよんでいますが、「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」の活動も例外ではありません。品評会やオークションなど、インターネットに依存せざるを得ない状況はいまだに変わることがありませんが、この度、新しい教育プログラム「SENSORY EDUCATION TRAINING」が提供されることになりました。
「SENSORY EDUCATION TRAINING」はオンライン上で開催されるため、カッピング技術を向上させたい参加者は、より専門的な知識とスキルを自宅に居ながらにして学べます。この新しい教育プログラムは、これまでコーヒーを評価するコーヒーカッパーに対して独自のトレーニングプログラムを提供してきた「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」にとって、新たな試みになるでしょう。
「SENSORY EDUCATION TRAINING」の内容は?
2021年5月開催予定の「SENSORY EDUCATION TRAINING」では、「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」の品評会で最高責任者ともいえるヘッドジャッジのスコット・コナリー氏をはじめ、そのほかのトレーナーからカッピングの知識を学ぶことが可能です。
トレーニングプログラムに申し込むと、開始日の前に3つのローストサンプル、サンプルの配置手順、スコアシート、公式カッピングスプーンなどのグッズが入ったボックスが参加者たちのもとに郵送されます。
初日はスコット・コナリー氏の特別プレゼンテーションで幕を開け、スコアシートを使用してカップとスコアを付ける方法が説明されます。その後、郵送された受賞歴を持つコーヒーをカップに入れて、実際にスコアを付けていくことに。その際、参加者たちはコーヒー専門家のグローバルコミュニティのカッピングスコアと比較して、カッピングスコアを評価することができます。
そうして完成したスコアシートは、「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」のイベントコーディネーターのもとへ返却しなければなりません。スコアシートを提出した後は、トレーニングプログラムの主催者側からカッピングスキルについての個別評価を受け取ります。
トレーニングプログラムの期間中、参加者たちは特別なビデオセッションにアクセスして、スコット・コナリー氏に質問する機会が与えられます。さらに、What’sAppグループを介して、他の参加者たちと直接通信することもでき、世界的なコーヒーコミュニティの一員であることを実感できるでしょう。トレーニングプログラム終了後には、「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」の教育プログラムからコースの修了証明書が発行されます。
おわりに
1999年にはじめて行われた品評会から20年以上経ったいま、「Cup of Excellence(カップ・オブ・エクセレンス)」は、新しいトレーニングプログラムである「SENSORY EDUCATION TRAINING」を通して長年の歴史の中で培われた知識を伝えようとしています。
カッピング技術を学びたい、スキルを向上させたい人にとって今回開催されるオンライントレーニングはまたとないほどすばらしい機会になるでしょう。残念ながら2021年5月開催分の参加者募集は閉め切られてしまったようですが、気になる方はぜひ今後の動向に注目してみてはいかがでしょうか。
参照サイトURL:https://cupofexcellence.org/