カップ入りティラミス

暑くなってくると、ひんやり冷たいデザートが食べたくなるのではないでしょうか?

 

コーヒーなどの材料を混ぜた後、冷蔵庫で冷やし固めて作るティラミスは、イタリア発祥の冷菓のひとつです。日本では1990年代に流行したのでご存知の方も多いデザートですが、実は、ティラミスが生まれた背景の事情はあまり知られていないようです。

 

本記事では、興味深いティラミスの起源とおいしく作るためのコツ、ティラミスに合わせるのに最適なコーヒーをご紹介します。

 

イタリアの伝統菓子「ティラミス」はいわくつきのデザート?

ドルチェ

イタリア発祥のティラミスには、じつは意外な起源があるようです。

 

ティラミスの意味は?

まったりと濃厚なマスカルポーネとほろ苦いコーヒーの風味が特徴のティラミスは、コクがあるのに後味がスッキリしている上品な甘さのデザーです。そんなイタリア生まれのお菓子『ティラミス(Tiramisù)』の名前には、興味深い意味があるのをご存知でしょうか?

 

かつて、ヴェネツィアから北に30キロメートルほど離れたところにある都市トレヴィーゾの方言で「Tiremesu」と呼ばれていたお菓子が、20世紀後半になってイタリア語で「Tiramisù」と呼ばれるようになりました。

 

イタリア語の動詞“Tirare”は「~を引っ張る」、“mi”は「わたし」、前置詞の“su”には「上に」という意味があります。ティラミスは英語で「Pick me up」ですから、日本語に直訳すると「わたしを引っ張り上げて」に。もっとわかりやすく訳すと、「わたしを元気づけて」という意味になります。

 

秘密の夜のデザート「ティラミス」

歴史的な記録によると、ティラミスは1800年にトレヴィーゾの街で生まれました。当時、町の中心地で娼館を営んでい女主人シオラが、店を後にして家へ帰ろうとする顧客に、「奥様へのお土産に」と自作のティラミスを包んで手渡していたのだとか。その後、娼館近くの宿屋(現在は、「Le Beccherie」という名前のレストランになっている)がデザートメニューに加えたことで、ティラミスの存在が広く世間に知れ渡るようになりました。

 

ご機嫌取りのお土産として、また媚薬として提供されていたティラミスは、以前は大人だけが食べることを許された、秘密の夜のデザートだったようです。ティラミスが誕生した背景を知ると、その名前が持つ真の意味を理解できるのではないでしょうか。

 

とはいえ、いまでは時間帯を問わず提供され、世界中であらゆる年齢層の人に愛されているティラミス。一般的に疲れているときに甘いものを食べると元気になりますが、これは糖を摂取したことによって血糖値が上昇し、脳に栄養が行き渡るからだそう。ですから、「疲れた体と心を癒したい! 」なんてときにティラミスをひと口食べれば、たちまちのうちに元気になってしまうかもしれませんね。

 

おいしいティラミスを作るコツ

ハンドドリップ

たくさんあるレシピがあるティラミスですが、どうすればおいしいティラミスを作ることができるのでしょうか?

 

濃いコーヒーを使うのがベスト

マスカルポーネと同様、コーヒーもティラミス作りには欠かせない材料です。コーヒーの風味がしないティラミスなど、気の抜けたサイダーのごとく、ぼんやりと味気ないものになってしまうでしょう。ティラミスにしっかりとコーヒーの風味をつけたいなら、濃いコーヒーを使用するのがベストです。ティラミスを作る際にはインスタントコーヒー、丁寧にハンドドリップしたコーヒーどちらを使っても構いませんが、どちらも通常の2、3陪の濃さにして使うと良いでしょう。

 

本場イタリアのティラミスを作るには?

できるだけ本場イタリアの味に近づけたいと思うなら、スポンジケーキではなく「サヴォイアルディ」を使ってはいかがでしょうか? ビスコッティ・サヴォイアルディとも呼ばれているサヴォイアルディは、サクサクと軽い食感のフィンガービスケットのことです。

 

スポンジケーキを使うと少々重く、しつこくなってしまうティラミスも、マスカルポーネを使ったクリームと相性が良いサヴォイアルディを使うことで、軽くてより滑らかな食感を楽しめるでしょう。

 

また、サヴォイアルディにしみ込ませるコーヒーシロップを作るときに、コーヒーリキュール以外にもシチリア島で生産されている「マルサラ酒(マルサラワイン)」を少量混ぜることで、より本格的なティラミスを完成させることができます。

 

 

最後の仕上げにひと工夫を

ホワイトとブラウンのツートンカラーで構成されたティラミスは、シックな見た目が大変美しいデザートです。その最後の仕上げに振りかけるココアパウダーに、砕いたインスタントコーヒーか細かく挽いたコーヒーの粉を混ぜてみてはいかがでしょうか? ひと工夫したココアパウダーを食べる直前に振りかければ、ティラミスを食べた瞬間にコーヒーの風味が口いっぱいに広がるでしょう。

 

ティラミスに合うコーヒーは?

コーヒー

ティラミスに合わせるなら、どのようなコーヒーを選ぶと良いのでしょうか? ここではおすすめのコーヒーをご紹介します。

 

深煎りコーヒーがおすすめ

ティラミスはもったりとクリーミーな食感のデザートですから、酸味がある浅煎りコーヒーよりも、コクがあって苦みが強めの深煎りコーヒーを合わせるのがおすすめです。コーヒーの焙煎度合いは8段階に分けられていますが、酸味がほとんどないフルシティローストか苦みの強いフレンチロースト、どっしりとしたコクのイタリアンローストなどの深煎りコーヒーがティラミスのお供にぴったりでしょう。

 

ティラミスで作る「ティラミスコーヒー」

ティラミスを多めに作ったら、ティラミスコーヒーを作ってみるのも良いかもしれません。ティラミスコーヒーといっても作り方は簡単で、事前に作っておいたアイスカフェラテにスプーンですくったティラミスを浮かべるだけ。素敵なコーヒーグラスで作れば、まるでカフェで提供されるドリンクのような見た目になって気分も上向きになるかもしれません。

 

おわりに

ティラミス

昔はいわくつきのデザートだったティラミスも、いまではそんな起源があるとは想像もできないほど一般的なものになりました。どんな誕生の背景があったとしても、おいしいことには変わりないティラミス。

 

コーヒーにもよく合うひんやり冷たいティラミスは、これからの汗ばむ季節にふさわしいデザートなのではないでしょうか。

 

参照サイトURL:https://www.accademiadeltiramisu.com/

 

 

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\BeansExpress/

 

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