タージマハール

古くからコーヒー栽培が行われてきたインド。日本ではあまりお馴染みではないインドのコーヒーですが、ヨーロッパではほど良い甘さとコクがある、飲みやすいコーヒーとして親しまれています。

 

本記事では、インドのコーヒー栽培のはじまりとインド特有のコーヒーの飲み方をご紹介します。

 

関連記事:コーヒーの生産量が多い国はどこ?ランキングと一緒に有名な生産地を紹介

関連記事:コーヒーにまつわるトリビアをご紹介【会話のネタにぴったりかも? 】

コーヒー生産量世界第8位のインド【アジアで初の生産地?】

シェードツリー

紅茶のイメージが強いものの、コーヒーの栽培地としても有名なインド。ここでは、インドのコーヒー事情についてご紹介します。

インドでのコーヒー栽培のはじまり

2017年のインドのコーヒー生産量は約31万トンで、世界第8位を記録しました。インドといえば世界最大の紅茶生産国ですが、じつはコーヒー栽培の歴史のほうが古くアジアで一番最初にコーヒーの栽培をはじめた国として知られています。

 

インドのコーヒーの歴史は、とあるイスラム教の聖人からはじまりました。17世紀ごろ、メッカ巡礼から戻るときにイエメンに立ち寄ったババ・ブータンが、自らの髭の中にコーヒー豆を隠してインド国内に持ち込んだといわれています。

 

南インドの丘陵地帯がコーヒーの生産地として有名ですが、ババ・ブータンが最初にコーヒー豆を植えたのがカルナータカ州でした。現在では、コーヒー生産量全体の71%を占めているカルナータカ州。この地域で生産されるコーヒーは、「ババ・ブーダン・ジリ」として世界に流通しています。

日陰栽培の中でも最高品質のコーヒー

コーヒーの栽培には適度な日照量が不可欠であるものの、直射日光はなるべく避けなければいけません。直射日光を浴び続けると葉焼けを引き起こし、栄養がコーヒー豆にまで行き渡らなくなったり、枯れてしまったりするのだとか。

 

そこで赤道に近い南インドでは、強い日差しからコーヒーを守るため、シェードツリーと呼ばれる栽培方法を採用しています。シェードツリーは日陰を作るのはもちろん、霜や強風からもコーヒーを守る役割を果たすそう。こうしてインドのコーヒーは、日陰で栽培されたコーヒーの中でも特に最高品質のものとして知られています。

 

また、モンスーンの影響で雨が多い時期に南インドで栽培されたコーヒーのことを、「インドモンスーンコーヒー」と呼びます。強い風味と苦みが特徴で、欧米では最高級品のコーヒーと認められているのだとか。このように、インドで生産されたコーヒーは主に海外で消費されており、全体のおよそ80%以上ものコーヒーがヨーロッパを中心に輸出されています。

 

関連記事:【焙煎は自宅で!が基本スタイル】コーヒーの名産地インドネシア・スンバ島のコーヒー事情

関連記事:【世界の産地8選まとめ】コーヒー豆の種類と特徴とは?

インド流のコーヒーの飲み方

紅茶の消費量が多いインドですが、コーヒーの生産地ではコーヒーを飲む習慣がしっかり根付いています。ここでは、インドで飲まれているコーヒーをご紹介します。

インディアンコーヒーとは?

インディアンコーヒーは、インドの中でもコーヒー消費量の多い南インドで一般的な飲み方で、サウスインディアンコーヒーと呼ばれることも。インディアンコーヒーは、コーヒーにミルクとたっぷりの砂糖を入れてから、泡立てて飲みます。泡立て方に特徴があり、2つのカップを使って高い位置から繰り返し注ぎ入れるんだそう。こうすることで、コーヒーがほどよく冷めて飲みやすくなり、まろやかな風味を楽しめます。

インド風カフェオレのマサラコーヒー

マサラとは、ハーブや香辛料を混ぜ合わせた混合香辛料のことです。インド料理の味の決め手ともいわれているマサラですが、インドでは料理ごとにスパイスを組み合わせて作ります。マサラというとマサラチャイやマサラカレーが思い浮かぶかもしれませんが、インドではコーヒーにもマサラを加えます。

 

マサラコーヒーとは、ひと口にいうとインド風カフェオレのこと。カフェオレとはいえスパイスが入っているため、まろやかさだけではなくひねりの効いた風味が楽しめます。基本的にはマサラチャイと同じスパイスが使用されており、シナモンやナツメグ、クローブなどをコーヒーに加えます。

 

シナモンには抗酸化効果や、香りによるリラックス効果があるといわれています。また、ナツメグには食欲増進や胃腸の機能を正常に保つ効果や、クローブには消化不良を解消する効果が。さらに、マサラコーヒーは牛乳を温めて作るので、消化酵素の働きが低下するのを防いで、消化吸収をよくする効果が期待できます。

マサラコーヒーの作り方

鍋にコーヒー1杯分(120ml)を入れ、シナモンスティック(2cmほど)とクローブ(2粒)、ナツメグ(1粒)を加えて火にかけます。十分に温めたら次に牛乳(110ml)を鍋に入れて、沸騰直前で火を止めます。カップに注ぎ、飾りようのシナモンスティックを入れれば完成です。

インドのコーヒーで心も体もぽかぽかに

インドではブラックコーヒーよりも、砂糖とミルクをたっぷり入れた甘くてまろやかな味のコーヒーが好まれているようです。マサラコーヒーのように香辛料を加えたコーヒーは、これからの寒い季節にぴったり。入手しやすい香辛料で作れるため、ぜひ自宅でオリジナルのマサラコーヒーを作ってみてはいかがでしょうか?

 

参照サイトURL:https://www.globalnote.jp/

関連キーワード
コーヒーの関連記事
  • キリマンジャロコーヒーの味と特徴【華やかな柑橘の香り】
  • コーヒーフレーズ
    世界のコーヒーにまつわる名言フレーズ!【各国の文化が感じられる面白ワード】
  • 話題の完全無欠珈琲『バターコーヒー』って? 効果や味・作り方を紹介!
  • 【コーヒーで始める新しい生活】上質な味覚体験を貴方に伝えたい。
  • 【コーヒー豆の製造過程や方法】コーヒーはどうやって作られる?

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう