世界には、コーヒーを生産している国が70ヵ国以上もあります。ひと口にコーヒーといっても、地域ごとに異なっているのがコーヒーの奥深いところ。そこで本記事では、世界の主な生産地で栽培されているコーヒー豆の特徴をご紹介します。 

 

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南アメリカのコーヒーの特徴 

日本の反対側に位置する南アメリカは、コーヒーの栽培が盛んな国が多く、ブラジルやコロンビアのコーヒーは世界的に人気です。

ブラジル 

世界最大のコーヒー生産国であるブラジルでは、毎年5500万袋以上のコーヒーが生産されています。 輸出される大半がアラビカ種で、さわやかな酸味とほどよい苦みのバランスが良いコーヒーが生産されているのが特徴です。精製方法も多様ですが、ナチュラル精製はブラジルでもっとも一般的に行われており、果実のままのコーヒーチェリーを天日や機械によって乾燥させます。ナチュラル精製されたものは酸味が穏やかで、飲みやすいコーヒーに仕上がります。 

コロンビア 

それぞれの地域で独自の栽培方法によりコーヒーが生産されているコロンビアでは、地域ごとにコーヒーの味わいが異なります。例えば、コロンビア北部ではまろやかでコクのあるコーヒー、コロンビア中部では苦みと酸味のバランスが良いコーヒー、そしてコロンビア南部では酸味と香りが強いコーヒーが栽培されています。 

ペルー 

国土を海岸地帯、森林地帯、山岳地帯に分けられるペルーでは、幅広い風味のコーヒーが栽培されています。標高が低いエリアではまろやかな酸味でナッツのような香ばしい風味のコーヒー、標高が高いエリアでは鮮やかな酸味とフルーティーな風味のコーヒーが作られているのが特徴です。 

北アメリカ・中央アメリカのコーヒーの特徴 

北アメリカ・中央アメリカのコーヒーは個性豊かで、同じ国でも生産地や栽培方法、精製方法、焙煎度合によってコーヒーの味に違いが生じます。 

メキシコ 

中央部にメキシコ高原が広がっており、標高1,000mを超える地域が多いメキシコ。標高が高ければ高いほどグレードの高いコーヒーが生産されており、品種としてはアラビカ種に属するティピカ種が多く栽培されています。メキシコでは、全体的に優しい酸味とほど良い苦みの飲みやすいコーヒーが多いのが特徴です。

ホンジュラス 

日本よりも国土面積が狭いながらも、コーヒーを生産するのに適した国土を持つホンジュラス。コーヒーにおいて「量より質」を追求する傾向があるホンジュラスでは、カトゥーラやティピカ、ブルボン種など主にアラビカ品種が栽培されており、上品な酸味のコーヒーに仕上がるウォッシュド精製が一般的です。

グアテマラ  

国土の大半が山岳地帯であるグアテマラのコーヒーは、鮮やかな酸味とフルーティーな香りが特徴です。標高が高いエリアで生産されたコーヒーほど品質が高く、より複雑で繊細な風味が楽しめます。アラビカ品種の中でもブルボン種が多く栽培されており、ナッツのような甘みとオレンジのような酸味を持つ、コクのあるコーヒーが人気です。

ニカラグア 

肥沃な火山性土壌に恵まれたニカラグアのコーヒーは、全体的にまろやかな酸味とハチミツやチョコレートのような甘みが特徴です。アラビカ品種の中でもカトゥーラ、マラゴジッペ、パカマラ、ブルボン、ジャバニカなど、さまざまな種が栽培されているため、品種ごとの個性の違いを楽しめます。

コスタリカ 

国土の中央にグアナカステ山脈、ティララン山脈、中央山脈、タラマンカ山脈が連なるコスタリカ。コーヒー生産を主な産業とするコスタリカでは、1988年にアラビカ品種しか生産してはいけないという法律が制定されました。コスタリカのコーヒーは、フルーティーで濃厚な甘みを持ち、豊かなコクが特徴です。 

東南アジア・南アジアのコーヒーの特徴 

東南アジア・南アジアのコーヒーといえば、ロブスタ種が多いように思えますが、近年では優れた品質のアラビカ種も多く栽培されています。

ベトナム  

コーヒー生産量世界第2位のベトナムでは、ロブスタ種が多く栽培されています。ロブスタ種は苦みが強く、酸味はほとんどありません。ベトナムにおけるアラビカ種の生産量は全体の約4%~5%ともいわれており、上品な酸味とほど良い苦みを持つ、まろやかなコーヒーとなっています。

インドネシア  

コーヒー生産量世界第3位のインドネシア。全体の生産量の約90%をロブスタ種が占めるものの、豊かな風味のアラビカ種が栽培されていることで知られており、その大半がスペシャルティコーヒーとして海外に輸出されています。世界的な観光地であるバリ島のアラビカ種は柑橘系の風味と重厚なコクを持つコーヒー、スラウェシ島トラジャではスモーキーな香りとすっきりした後味のコーヒー、スマトラ島アチェ州ガヨ地区ではフルーティーで爽やかな風味のコーヒーが特徴です。

インド 

ほとんどが小規模農家によって生産されているインドのコーヒー。インド南部にある標高1,000m以上の西ガーツ山脈周辺は、品質の良いコーヒーが生産されていることで知られています。ロブスタ種がやや多いものの、アラビカ種の栽培も増えてきており、まろやかな酸味のバランスの良い、飲みやすいコーヒーです。 

アフリカのコーヒーの特徴 

コーヒー発祥の地であるアフリカのコーヒーには、どのような特徴があるのでしょうか? 

ウガンダ 

豊かな自然を誇るウガンダは、ロブスタ種発祥の地と考えられており、現在でもロブスタ種が多く栽培されています。アラビカ種は全体生産量の5%ほどで、ティピカ種の突然変異種であるSL14やブルボン種の系譜で干ばつに強いタイプのSL28に加えて、ティピカやケントが栽培されているのだそう。ロブスタ種は苦みが強いですが、アラビカ種は控えめな酸味とフルーティーな味わいが特徴のコーヒーです。

エチオピア 

コーヒー生産量世界第5位のエチオピアは、アラビカ種発祥の地として有名です。アラビカコーヒーは、9世紀頃にアフリカ北東部に位置するエチオピア中央部に広がるアビシニア高原にて発見されました。鮮やかな酸味のバランスが良いコーヒーですが、苦みやコクは控えめです。 

コートジボワール 

コートジボワールにおけるコーヒー栽培は、フランス植民地時代にはじまりました。ロブスタ種の栽培が大半を占めていますが、ストレートでは飲まれておらず、缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料になっています。

ケニア 

国土の大部分が標高1,100~1,800mの高地であるケニアは、生産量は少ないながらも高品質なコーヒーが生産されてます。 ケニアではアラビカ品種のブルボン種系で品質が高いとされるSL28とティピカ種の突然変異種で豆が大きいSL34に加え、ケニアで生まれたハイブリッド種のルイル11が栽培されています。焙煎度合によって風味が変わりますが、全体的にベリーや柑橘類のようなフルーティーな酸味がケニアのコーヒーの特徴です。 

コーヒーの特徴を知ってお気に入りを見つけて 

同じアラビカ種でも、産地ごとに風味や味わいが異なります。もちろん産地だけではなく、栽培方法や精製方法、焙煎度合や淹れ方などによっても違いが生じますが、その千差万別さこそがコーヒーの醍醐味だといえるでしょう。いろいろな産地のコーヒーを飲み比べてみれば、やがて自分の好みのコーヒーに出会えるはず。世界各国のコーヒーを試してみれば、ご自宅に居ながらにして世界旅行気分が味わえるかもしれませんね。 

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