オランダの首都アムステルダムには、個性的なコーヒーロースターがいくつか存在します。
アムステルダム西部に位置するLOT61 Coffee Roaster(ロット・シックスティワン・コーヒーロースター)も、そのうちのひとつです。
本記事では、環境に優しいコーヒーロースター「LOT61 Coffee Roaster(ロット・シックスティワン・コーヒーロースター)」をご紹介します。
目次
LOT61 Coffee Roaster(ロット・シックスティワン・コーヒーロースター)のルーツ
アムステルダムにあるコーヒー焙煎所LOT61 Coffee Roaster(ロット・シックスティワン・コーヒーロースター)の創業秘話をご紹介します。
LOT61が誕生した背景
ポールとアダムは、単なるコーヒー好きではありません。もともと、サーフィンやダイビングなどのマリンスポーツが大好きだった2人は、地元であるオーストラリアの海が大量に廃棄されたプラスチックごみによって汚染される様子に心を痛めていました。
このまま見過ごすことはできない、なにかアクションを起こさなくてはと考えた彼らは、大好きなコーヒーを通して、自分たちなりに環境に取り組むことを決意します。こうしてLOT61は、サステナビリティに真剣に取り組むコーヒーブランドとして誕生しています。
LOT61 Coffee Roasterの周辺情報
LOT61 Coffee Roaster(ロット・シックスティワン・コーヒーロースター、以下LOT61)は、アムステルダムのアウト・ウェスト地区のキンケル通りにあるコーヒー焙煎所です。アウト・ウェスト地区は高級集合住宅が多く、個性的なデザインショップやクラフトコーヒーショップが集まるエリアとして知られています。そんなおしゃれなエリアに店を構えるLOT61は、多国籍フードコート「フード・ハレン」やアートシアターが入っている「デ・ハレン・カルチャーセンター」から徒歩数分の位置に建っています。
お店の名前は国番号に由来?
LOT61は、ポールとアダムによって2013年に創業しました。幼馴染である彼らはシドニーで生まれ、ブルックリンに移動した後、オランダ・アムステルダムに定住したといいます。定住すると同時に、彼らは小さなカフェを併設したコーヒーの焙煎所を開きました。ポールとアダムにとってコーヒーとはライフスタイルそのものであり、単なるドリンク以上の存在です。
店名に数字を組み込んだLOT61ですが、数字の61はラッキーナンバーでもなんでもなく、なんと国番号なのだそう。国番号61といえばオーストラリアですが、「シドニーで生まれ、ブルックリンで育ち、アムステルダムで焙煎する」をスローガンに掲げた2人のルーツが、オーストラリアにあることがよくわかるのではないでしょうか。
環境に優しいLOT61 Coffee Roaster(ロット・シックスティワン・コーヒーロースター)
LOT61が創業した背景には、地球環境のために貢献したいという強い願いがありました。具体的に、どのように環境問題に取り組んでいるのでしょうか?
ここでは、サステナビリティを全面に打ち出すコーヒーブランドとして知られるLOT61の取り組みについてご紹介します。
Bコーポレーションの認証を取得
環境や社会貢献が認められた優良企業に与えられる認証のBコーポレーション。日本ではまだなじみが薄い認証制度ですが、海外では欧米を中心に企業の間で浸透しており「B corp(ビーコープ)」と短縮して呼ばれています。
Bコーポレーションは、アメリカ・ペンシルバニア州に拠点を置くNPO団体B Lab によって認証され、貧困の削減やより良い環境等を目的とした仕事の創出を目指しています。Bコーポレーションの認証を取得しようと考えている企業は、従業員だけではなく、地域社会や環境に対して利益を生むビジネスを展開していなければなりません。
LOT61は、Bコーポレーション認証を取得した企業です。認証までの道のりはけっして簡単ではありませんでしたが、生活の質を向上させるビジネスでありつつ、環境を壊さず、限りある資源を使い切らないように将来のビジョンをしっかり持ったサステナブルなコーヒーロースターであることが認められました。
環境に配慮したスマートロースターを使用
LOT61では、地球温暖化防止を目的としてCO2排出を抑制する環境配慮型のスマートロースターを使用しています。また、スマートロースターを使用することで、焙煎したコーヒー豆のおいしさを長持ちさせることが可能です。通常、常温保存されたコーヒー豆の香りのピークは、1、2週間ほどといわれています。これは、焙煎が深くなるとコーヒー豆が膨らんで細胞壁に亀裂が入り、アロマや油脂などの成分が漏れ出てくるためです。
ところが、焙煎情報を管理できるスマートロースターであれば、焙煎時に生じるコーヒーの膨張と細胞壁の亀裂を抑えてアロマの放出を緩やかにし、コーヒー豆のおいしさを保つことができます。コーヒー豆の外側にダメージを与えることが少ないスマートロースターですが、コーヒー豆の芯にまでしっかり熱が通るので風味に影響はありません。
スマートコーヒーはスペシャルティコーヒーの焙煎に最適で、独特の酸味や甘さ、透明感などを引き出してくれます。
LOT61 Coffee Roaster(ロット・シックスティワン・コーヒーロースター)のコーヒー
スペシャルティコーヒーにこだわるコーヒー焙煎所は多いですが、LOT61のコーヒーにはどのような特徴があるのでしょうか。
カフェの人気も上々
LOT61では、季節ごとのシングルオリジンコーヒーを焙煎して提供しています。グアテマラ産のシングルオリジンをブラジル産のコーヒーとブレンドした商品は、エスプレッソ用におすすめです。フィルターで淹れるためのコーヒーをお探しなら、コロンビアとケニア、エチオピアのシングルオリジンコーヒーを試してみることができるでしょう。
LOT61に併設されているカフェでは、すばらしい風味のコーヒーと地元のベーカリーから届けられるおいしいパンが提供されています。小さなスペースにもかかわらず、のんびりした雰囲気が漂うカフェは、コーヒーブレイクに訪れる人だけではなく、待ち合わせ場所としても人気でいつも賑わっているようです。
LOT61流のフレンチプレスの淹れ方
フレンチプレスでコーヒーを淹れるために、90℃のお湯500gとコーヒー30gを用意します。お湯を注いで事前に温めておいたフレンチプレスに、コーヒーを入れ、お湯を125g注ぎます。30秒経ったら、残りのお湯をゆっくりと注ぎます。十分に抽出するために3分30秒の間蒸らし時間を置いてから、表面に浮いているクラストを取り除きましょう。
その後、6分待ってからゆっくりプランジャーを下に押していきます。プランジャーが下がったら、カップに注いで完了です。
フレンチプレスにおすすめのLOT61のコーヒー
LOT61の「GUATEMALA LA ESPERANZA(グアテマラ・ラ・エスペランサ)」、「ZIMZALA(ジムザラ)」、そして「FIVR(フィバー)」は、フレンチプレスで淹れるコーヒーとしておすすめです。
「GUATEMALA LA ESPERANZA(グアテマラ・ラ・エスペランサ)」は、グアテマラの小さなコーヒー農場で採れたコーヒーですが、細心の注意を払って品質管理が行われており、植物の成長に欠かせない微生物をたっぷり含んだ有機肥料が用いられています。「ZIMZALA(ジムザラ)」は、ヘーゼルナッツの風味が特徴のブラジル産コーヒーと爽やかな味わいのペルー産のコーヒーをブレンドしたもので、フレンチプレスはもちろん、エスプレッソにも向いています。
LOT61の人気商品の「FIVR(フィバー)」は、朝の一杯に最適なコーヒーです。甘い香りが特徴のブラジル産のコーヒーは、まるでチョコレートシロップのようで、幸せな朝のひと時をもたらしてくれるでしょう。
アムステルダムを訪れたなら
町の中心部から徒歩圏内にあるLOT61 Coffee Roaster(ロット・シックスティワン・コーヒーロースター)には、外国人観光客の姿もしばしば見られるようです。
カフェで寛ぐの良いでしょうし、お土産用のコーヒーを購入するのも良いでしょう。オランダ・アムステルダムを訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみたいですね。
参照サイトURL:
関連記事:【フレーバーコーヒーとは?】おすすめの飲み方と種類について