とろけるように滑らかな手触りと優しい風合いが魅力のファイヤーキング。唯一無二のガラスウェアとして世界的に有名ですから、ヴィンテージ食器にあまり興味がない人でも、一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。
本記事では、現在も熱烈なファンを持つ、アメリカ生まれのヴィンテージ食器「ファイヤーキング」についてご紹介します。
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目次
ファイヤーキング(Fire-King)とは?
ファイヤーキングは、乳白色の柔らかな色味とぽってりしたフォルムが特徴です。ヴィンテージ食器としていまも人気の高いファイヤーキングは、どのように誕生したのでしょうか?
ファイヤーキングの誕生
1937年、オハイオ州ランカスターのホッキングガラス社とアンカーキャップ社が合併し、「アンカーホッキンググラス社」が誕生しました。主にテーブルウェアを製造していた会社ですが、丈夫なガラス素材の開発をきっかけに、ガラス製オーブンウェアを製造するようになります。こうして、1942年に「ファイヤーキング(Fire-King)」の製造販売がスタートしました。
古き良き時代のアメリカを代表するテーブルウェア
機能的で耐久性に優れたファイヤーキングの食器は、日常使いに適していると瞬く間に人気を集め、レストランや学校はもちろん、一般家庭でも使用されるようになります。アメリカの黄金時代に生まれたファイヤーキングは、当時、世界でもっとも豊かな国であったアメリカを象徴するアイテムのひとつでした。
ところが、安価で加工しやすいプラスチック製品が市場に出回りはじめると、製造が難しいミルクガラスのファイヤーキングは、製造コストの採算が取れなくなってしまいます。その後も細々と製造されましたが、1976年にはグラスウェアからブランドのロゴが消え、1986年に製造終了を迎えました。
歴史の表舞台から一度は姿を消したファイヤーキングでしたが、2011年に正規ライセンスを取得した日本が、「ファイヤーキング・ジャパン」を設立。熟練した職人たちが、ひとつひとつ丁寧に手作りし、ノスタルジックさが魅力のファイヤーキングの製品を忠実に復刻しています。
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ファイヤーキングの代表的な7つの種類
熱烈なファンやコレクターが存在するファイヤーキングの代表的な種類をご紹介します。
定番アイテムの「Dハンドルマグ」
1940年代に生まれたDハンドルマグは、ファイヤーキングを代表するデザインです。持ち手がアルファベットの「D」に見えるこのマグは、2本の指を入れて持つのにちょうど良いサイズ。約30年間に渡って生産された定番アイテムで、現在も世界中で親しまれています。
ボトムの形には、一般的なレギュラーと希少なシェービグの2種類があります。コーヒーを淹れると美しく透けて見えるのはレギュラーのほうだといわれていますが、シェービングはずっしりと重く、手に馴染む感触が特徴です。
人気アイテムの「スタッキングマグ」
スタッキングマグは、底部のサイズが小さく、同タイプのマグを積み重ねて収納できるようになっています。Dハンドルと同じくファイヤーキングを代表するデザインで、持ち手が四角に尖って見えるレギュラーハンドル、持ち手が丸みを帯びているラウンドハンドル、そして底部がリブ模様になっているリブボトムの3つの種類があります。
ソーダがこぼれにくい「ソーダマグ」
炭酸飲料を飲むために作られたソーダマグ。別名をコカ・コーラマグといい、曲線的で柔らかいシルエットに狭めの飲み口、まるで耳のような形の持ち手が付いています。炭酸飲料がこぼれにくいようにデザインされており、Dハンドルマグやスタッキングマグと比べるとずっしり重いにもかかわらず、容量は少なめなのが特徴です。
ホットチョコレート専用の「スリムチョコレートマグ」
チョコレートマグとも呼ばれているスリムチョコレートマグは、ホットチョコを入れるために作られたマグです。ソーダマグと同様、のっぽでスリムなデザインですが、スリムチョコレートマグのほうは飲み口が広がっています。業務用のレストランウェアシリーズのひとつで、両手で包み込みたくなるフォルムが素敵です。
キュートでポップな魅力満載の「プリントマグ」
花やフルーツをはじめ、動物や幾何学模様がプリントされたプリントマグ。ディズニーのキャラクターやスヌーピー、その他のキャラクターが付いているキャラクターマグも、プリントマグの仲間です。洗浄する際にメラニンスポンジや漂白剤を使用すると、せっかくのプリントが損なわれる恐れがあるので注意しましょう。
レアアイテム多数の「アドマグ」
プリントマグの中でも、アドバタイジング(企業広告)がプリントされたアドマグは、ファイヤーキングの中でもコレクターが多いアイテムです。スヌーピーなどのキャラクターマグと同じように、希少なアイテムが多く、眺めているだけで楽しくなるアドマグ。収集家たちのコレクター魂をくすぐるものばかりで、レア度によって価格が大きく異なります。
異彩を放つ「キンバリーマグ」
ダイヤモンド採掘で栄えた、南アフリカ共和国の都市であるキンバリーの名前が施されたキンバリーマグ。キンバリーマグの側面には、ダイヤモンドのモチーフが施されており、ゴツゴツした見た目が個性的です。ファイヤーキングといえば、つるんとしたゆで卵のように艶やかなガラスの表面が大きな特徴となっているだけに、キンバリーマグはファイヤーキングの中でも異彩を放つアイテムです。
親しみやすいヴィンテージ食器
ヴィンテージ食器のイメージが強いファイヤーキングですが、丈夫で使いやすく、デイリーユースにふさわしいアイテムです。中には、価値の高いレアなデザインの高額商品もありますが、お手頃価格の商品も販売されているため、熱烈なコレクターでなくても手を出しやすいのがいいですね。優しい色合いのファイヤーキングにコーヒーを淹れて、穏やかなコーヒーブレイクを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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