いつもとは違うコーヒーが飲みたいと思うなら、コオロギコーヒーはいかがでしょうか? 昆虫食をこよなく愛するひとりの現役大学生が発案したコオロギコーヒーですが、もしかすると将来起こり得るコーヒーの2050年問題の切り札になるかもしれません。
本記事では、話題性抜群のコオロギコーヒーについてご紹介します。
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目次
昆虫食普及への布石となる「コオロギコーヒー」
日本初の昆虫入りコーヒーの誕生
コオロギコーヒーとはその名の通り、コオロギの粉末が入ったコーヒーのことです。話題性抜群の昆虫入りコーヒーを販売しているのは、国内の昆虫食通販サイトの最大手「BagsFarm(バグズファーム)」。コオロギコーヒーは、昆虫食活動家で昆虫食YouTuber「昆Tuber」のかずき氏が発案し、「sanwa coffee works」の店主でありコーヒー焙煎士でもある西川隆士氏の協力によって商品化されました。
コオロギの粉末が20%配合されたコオロギコーヒーですが、その原材料になっているのはフタホシコオロギです。フタホシコオロギには黒目と白目がいて、黒目に比べると白目はえぐみもなく、あっさりした味わいなのだそう。
発案者であるかずき氏は、このコオロギコーヒーを昆虫食普及への布石にしたいと願っています。日本もハチの幼虫やイナゴなどを食べる昆虫食文化を持つ国ですが、昆虫を食べることに抵抗を感じる人はまだまだたくさんいるでしょう。しかしいま、昆虫食は栄養たっぷりで環境に優しく、食糧危機の救世主になると世界中で注目されています。インパクトのあるコオロギコーヒーが親しまれるようになれば、ほかの昆虫食も受け入れやすくなるのではないでしょうか。
後味すっきりの飲みやすいコーヒー
コオロギの味が引き立つように作られた、コオロギコーヒー。バランスの良い味わいで知られるブラジルサントス種のコーヒー豆とブレンドされ、香ばしいコーヒーに仕上がっています。見た目は他のブラックコーヒーとまったく同じですが、やはり普通のコーヒーとはひと味もふた味も違うといいます。
コオロギコーヒーは、尾を引くようなブラックコーヒー特有の後味はせず、すっきりした味わいが特徴です。飲みやすいコオロギコーヒーは、ブラックコーヒーの後味があまり好きでない人にも、おすすめのコーヒーとなっています。
甲殻類アレルギーのある人は注意を
エビやカニなどの甲殻類が原因になる甲殻類アレルギーのある人は、アレルギー症状を引き起こす可能性があるため、コオロギコーヒーを飲まないようにしましょう。甲殻類アレルギーのある人が甲殻類(もしくは甲殻類が含まれている飲食物)を口にすると、アナフィラキシーショックが起こる場合も。アナフィラキシーショックが起こると、呼吸困難や低酸素血症のほか、血圧低下や意識障害などの症状が現れ、治療が遅れると命が危険にさらされます。
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コオロギがコーヒーの「2050年問題」を救う?
コーヒーの危機的未来
そう遠くない将来、コーヒーが気軽に飲めなくなる時代がやってくるかもしれません。現在、コーヒー消費量は右肩上がりに上昇しています。しかし、地球温暖化による気候変動から、約30年後の2050年には、アラビカ種の栽培地が50%減少するであろうと予測されています。
気候変動に伴うコーヒー豆の品質の低下をはじめ、気温や湿度の上昇が招く「さび病」による生産量の低下、さらには採算が合わないコーヒー農園の経営難によるコーヒー生産者数の減少などによって、おいしいコーヒーが市場から消えてしまう恐れがあるのです。
これをコーヒーの2050年問題といいますが、大豆やチコリからできた代用コーヒーはもちろん、コオロギの粉末を入れたコオロギコーヒーが、未来のコーヒー生産量減少の影響をカバーする可能性があります。
なぜコオロギなのか?
コオロギはコーヒーの2050年問題だけでなく、将来起こり得る食料危機を救う昆虫として注目を浴びています。雑食であるコオロギは養殖しやすく、味も良いため、食用に適していると考えられています。また、コオロギはたんぱく質源としても優秀で、可食部が多く、捨てる部分がほとんどありません。
小さな昆虫ですが、じつはコオロギは栄養価が高いことで有名です。たんぱく質が豊富なだけではなく、必須脂肪酸のオメガ3やオメガ6といった多価不飽和脂肪酸が含まれています。オメガ3とオメガ6は、わたしたちの体の細胞膜の材料となり、健康維持に必要不可欠な脂肪酸です。エサや水の量は少しで済むコオロギは、温室効果ガスの排出も少ないため地球に優しい「未来の食品」だと期待されています。
おわりに
「コーヒーにコオロギを入れるだなんて……」と、思った人もいらっしゃるでしょう。奇抜なアイデアに思えるコオロギコーヒーですが、コオロギコーヒー開発の背景には、食糧危機や地球環境への配慮が隠されています。
コオロギコーヒーを飲みながら、地球のためになにができるのか、考えを巡らしてみるのはいかがでしょうか。
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