先週の金曜、経理のお姉さまに誘われて落ち着いた雰囲気の焼き鳥屋さんに行ってきたの。そこの料理はどれも美味しかったんだけど、一番感動したのが食後のデザートとこだわりのコーヒー! よくよく聞いたら、カフェ展開もしているんですって。だからこんなに美味しいコーヒーがいただけるのねと納得。

 

ごはんのあとにカフェに行くことって多いけど、そのお店は食後はカフェスペースに移動もできたの。ひとつのお店でいろんな空間を楽しめるっていいわよね。お店の雰囲気もいいし料理もコーヒーも美味しいなんて最高。でもね、やっぱり行く人は選ばないとと痛感した日でもあったのよね。

 

今年53歳になる経理のお姉さまは、坂本冬美似の超美人。若く見えるというよりは、その年齢をしっかり重ねて、落ち着いた色気を醸し出す人。仕事もできるし、人への気遣いも最高。私も何度か彼女の心遣いに救われたりしたことがあって、「余裕のある大人の女性だな~」と思っていたの。

 

まぁ、少し女性特有の面倒な一面も見え隠れする時もあったけど、いつもお世話になっている彼女からのお誘いだしねと思い、お供させていただいたんだけど……。

 

帰りの電車に乗る頃には、彼女のイメージはダダ下がりになってしまったのよね。

 

実は彼女こそ、社内の要注意人物だったの。彼女が話した内容は、途中から全て会社の愚痴だったんだけど、おおまかに言うと「私がこれだけしてあげたのに社長はこう言ったのよ!? ○○さんからは既読無視されちゃって! 私、みんなのためにこんなに頑張ってるのに!!」という話のオンパレード。

 

私は、「あぁ~、こういう感じの人だったのね~。こういう人に意見しても、次は私にこう言われたの!って言うんだろうな~」と思いながら「大変でしたね~」って流してたんだけど。彼女の話の中で一番「は?」って思ったのがこれ。

彼女「知ってる? あなたと入れ違いでやめちゃったO田さんていたでしょう? あの子と営業部の○村さん、ずっと不倫関係だったの。女の子の方は結婚願望がある子だったからね、男性の方にずっと離婚してもらおうと頑張ってたんだけど、結局離婚できなくって。やめた原因のひとつは、間違いなく不倫もあったはずよ。」

 

りか「あ~そうなんですか。風の噂で耳にはしていましたが本当だったんですね。やっぱり、社内不倫ってみんな気づくもんなんですね。それこそ見て見ぬふりですよね~」

 

彼女「え~そんなことないよ~! 私ね、O田さんに聞いたの「辛かったでしょう? 私もなんとかして離婚してもらうように掛け合ってみるから」って言って、実際○村さんにも離婚の条件を出したりしてね、色々としたのよ~」

 

りか「……え? あ、○田さんから相談をうけたってことですか?」

 

彼女「いや違うよ~。心配すぎて声かけちゃったの。でも、やっぱりうまくいかなくってね。でさ、ほらこんな小さな会社でしょう? 仕事で彼女と○村さんの2人で出張に行くこともあったわけ。それってよくないじゃない?

 

だからね私、社長に言ったの! あのふたりはこういう仲なんで、行かせない方がよくないですかって。でもそしたら社長! なんていったと思う!?」

 

りか「……なんて言ったんですか?」

 

彼女「逆ギレしたのよ!? 私に!!! 「ふたりのしていることは、よくないことだけど、不倫しているからって、ふたりを行かせなくて、それはそれで仕事にならないでしょう? 大人のふたりの問題だから、こっちがそこまで口は出せない」って言ったのよ!?

 

私ね、そんな時はいつも社長には、長〜いメールを送るの。会話だと感情的になっちゃうからね。しかも○村さんも○村さんで、離婚するって言っておきながら結局しないし。ねえ、離婚経験のあるあなただからわかるでしょう? 離婚て、そんな難しいの!?」

 

りか「……。離婚は、簡単ではないです。いくら互いに決めたことでも」

 

彼女が私に求めていた答えは、

「そりゃもう離婚なんてサクッとですよ! ひどいですね○村さん、そんな簡単なこともしないなんて。さらに社長も理解していない! ほんっとみんなわかっていませんね~」

 

……だったんでしょうね。

 

でも私は、彼女が求める答えは、さすがに言えなかった。

 

私、思うのよね。

 

 

なんにでも首を突っ込んで、それが正義だと信じて疑わなくて、自分が求めるものが返ってこないとギャーギャー騒ぐ女。

 

社内では落ち着いていても、つらつらメールで社長に不平不満を訴える女。一番社内を引っ掻き回しているのは彼女なんじゃないかしら。

 

たしかに不倫はダメ。でも、それに首を突っ込んで離婚させようとするなんて、どうかしてるんじゃないの?! どちらかが彼女に相談をしたっていうのならまだしも、ふたりの仲裁に勝手に入って離婚の条件を彼女が言うなんて……。普通の感覚ではできないわよね。

 

さらに社長にも伝えちゃうなんて……。社長の立場を考えれば、社長が言った言葉は間違っていないと思う。

 

社内の風紀を乱すという点ではよくないのは確かだけど、社長の義務は社員が路頭に迷わないために売上を持続させること。

 

もちろん、どろどろな関係の2人がいる中で仕事をするのは他の社員にとってはやりづらい。でも、それはそれ、これはこれ。公私混同しているのは、不倫をしていた、ふたり以上に経理の彼女なんじゃないかしら。

 

ちなみにこの彼女、53歳でものすごく美人だけど、男性と付き合った経験はゼロ。今は双子のお姉さんと一緒にふたりで暮らしているの。

 

今まで、こんな美人なのに”付き合ったことない”ってどういうことなのかしらと不思議だったけど、その夜で理由がはっきりわかっちゃった。

 

いくら美人でも、人の気持ちがわからない人と恋をしようとは思えないわよ。いつも誰かのためにやってると彼女が思い込んでることも、要はただの自己満。

 

彼女の優しさに助けられたこともあったけど、その時に私が喜んで「ありがとうございます」って言わなかったら、きっと彼女は不満に思って「私がこれだけしてあげたのに」って思ったんでしょうね。

 

そう思うと、なんだか悲しいわね。

 

まぁ、彼女はきっと私に共感してほしくて色々話したんでしょうね。でも結果は真逆。彼女が騒ぎ立てれば立てるほど、社長や社員さんに対して「大変でしたね。お疲れ様!!!」という気持ちになってしまった。

 

優しさも心遣いも、自分を満たす為なら、むしろしない方がいい。そして、それが自己満ってことに気がつくべきね。

 

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