マグとコーヒー豆

確認されている種類だけでも数万種はあるといわれるカビの中には、コーヒーが大好物なカビも存在します。「カビにもコーヒーのおいしさがわかるのか! 」とつい嬉しくなってしまいますが、どうやら喜ぶのはとんだ見当違いの模様。なぜなら、コーヒーについたカビは、カビ毒を発生させるからです。

 

本記事では、コーヒーのカビ毒と、その体内摂取量を減らすための方法を詳しくご紹介します。

 

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コーヒーのカビ毒は体に悪い?

コーヒー豆

ひと口にカビいっても、すべてが有害な訳ではありません。カビには、発酵食品を作ったり、抗生物質を作ったりするものなどさまざまです。ここでは、コーヒーのカビ毒がわたしたちの体に及ぼす影響についてご紹介します。

カビ毒とは?

真菌の仲間であるカビは、代謝するときに化学物質を生産します。その中でも、人間や動物の体に悪影響を与えるものが、カビ毒(マイコトキシン)です。カビは温かくて湿った環境を好むため、湿度の高い日本の気候はカビたちの生育に適しています。また、カビは食品だけではなく、木や紙など選り好みをせずになんでも食べる微生物ですから、わたしたちが日常生活の中でカビ毒にさらされる危険はかなり高いといえるでしょう。

コーヒーにつくカビ毒は?

農林水産省によると、現在知られているカビ毒は100種類以上もあるのだとか。主なカビ毒として、ナッツ類やドライフルーツにつくアフラトキシン類、リンゴ加工物につくパツリン、トウモロコシにつくフモニシン類が挙げられます。

 

コーヒーにつくカビ毒はオクラトキシンAと呼ばれ、アスペルギルス・オクラセウスなどのカビが発生させます。コーヒーのほかにも、豆類や果実、ムギや米などの穀類に付着するオクラトキシンAは、例に漏れず人体に有毒なカビ毒です。

コーヒーのカビ毒「オクラトキシンA」の体への影響

国際がん研究機関は、オクラトキシンAを発がん性の可能性がある物質と見なしています。ラットを用いた研究では、オクラトキシンAが腎臓に毒性をもたらすことが判明しました。腎細胞がんは腫瘍が小さいうちはほとんど自覚症状がないため、早期発見しにくいがんです。

 

ですが、「コーヒーはカビ毒がついている可能性があるから有害だ! 」と早合点しないようにしましょう。カビ毒はいろいろな食品に含まれているため、カビ毒をまったく含まない食品を探すのは至難の業です。問題なのはカビ毒そのものよりも摂取量ですから、オクラトキシンAの含有量を気にする必要があります。

 

2008年、食品の安全性と品質の国際的な基準を定めるコーデックス委員会は、オクラトキシンAの最大基準値を5㎍/kgと設定しました。厚生労働省の「食品中のオクラトキシンAの規格基準の設定について(案)」によると、現在日本では、食品衛生法などによるオクラトキシンAの法的規制基準は定められていません。

 

しかし、食品安全委員会は、ラットを使ったオクラトキシンAの発がん毒性テストを2年間行った結果、毎日一生摂取しても健康に悪影響を及ぼさない量(TDI:耐容1日摂取量)として、「15ng/kg体重/日」を設定しました。

 

この食品安全委員会が設定したTDIを当てはめるなら、体重50kgの人だと1日750ng以下までならオクラトキシンAを摂取しても大丈夫だということに。1ngは0.000000001gですから、750ngをgに換算すると0.00000075gになります。

 

中には、「そんなにわずかな量で…」と心配になる人もいるのでは?しかし、日本の食品安全委員会によると、日本のオクラトキシンAの摂取量の推計は平均0.14ng/kg体重/日で、多くても2.21ng/kg体重/日だったそうです。ですから、コーヒーのカビ毒であるオクラトキシンAが日本人に悪影響を与える可能性は低いと考えられます。

 

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コーヒーのカビ毒摂取量を減らすためにできること

インスタントコーヒー

コーヒーにはがんを予防する効果があるといわれていますし、1日に数杯程度コーヒーを飲むぐらいなら、カビ毒のオクラトキシンAが含まれていることを過剰に心配する必要はありません。とはいえ、「できるだけカビ毒を体に取り入れたくない」と思う人もいらっしゃるでしょう。そこで、コーヒーのカビ毒の摂取を低減する方法をまとめてみました。

 

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気になる人はインスタントコーヒーの摂取を控えて

いつ焙煎されたのかも、どんなコーヒー豆が使用されているのかも不明なインスタントコーヒーは、カビ毒に汚染されている可能性が高いため注意しましょう。平成16年度から平成21年度にかけて行われた、国内で販売されている食品中のオクラトキシンAの濃度を調べた実態調査によると、126サンプルのインスタントコーヒーのうち、124サンプルが定量限界(インスタントコーヒーは0.1㎍/kg)を超えたことが明らかにされました。

 

約98%ものインスタントコーヒーのオクラトキシンA濃度が、定量限界以上だったことにショックを受ける人もいるようです。ですが、コーデックス委員会の規制基準(5㎍/kg)に照らし合わせれば、この調査時のオクラトキシンAの定量限界(0.1㎍/kg)はごくわずかなことに注目すべきでしょう。

 

簡単にいうと、インスタントコーヒーに含まれるオクラトキシンA濃度は、健康に害を及ぼすほど高い訳ではありません。しかし、この調査結果から、ほとんどのインスタントコーヒーが、カビ毒に汚染されていることが判明しました。さらに、焙煎されたコーヒーに比べると、インスタントコーヒーのオクラトキシンA濃度は高いため、気になる人はインスタントコーヒーを飲まないほうが良いかもしれませんね。

ハンドピック後に自らコーヒー豆を焙煎する

焙煎前に手作業で欠点のあるコーヒー豆を取り除くことを、ハンドピックと呼びます。コーヒーをおいしく仕上げるために欠かせないハンドピックは、オクラトキシンAを排除するのに有効な作業です。

 

オクラトキシンAを含むコーヒー豆は、カビ臭いにおいがしたり、黒ずんでいたり、デコボコしていたりといった特徴があります。焙煎した後では見分けがつきにくくなりますから、焙煎前の状態でカビ毒に汚染されたコーヒー豆を除去することをおすすめします。

ハンドピックをしているコーヒーショップを探す

ハンドピックをするのも、自分で焙煎するのも手間が掛かりすぎるというのなら、自家焙煎にこだわっているコーヒーショップでコーヒー豆を購入してみてはいかがでしょうか。自家焙煎専門店はコーヒーの品質と味の良さを追求するため、ハンドピックを行うのがふつうです。確認のためにも、購入前にハンドピックをしているかどうかお店の人に尋ねてみると良いでしょう。

 

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おわりに

焙煎

コーヒーのカビ毒であるオクラトキシンAは、大量摂取すると人体に健康被害をもたらします。ただし、1日に2、3杯コーヒーを飲む程度であれば、カビ毒の影響をそれほど心配する必要はありません。どうしても気になってしまう人は、ハンドピックを行っている自家焙煎のコーヒーショップのコーヒーを選ぶか、自分でハンドピックから焙煎まで行うようにしましょう。

 

【参照サイトURL】

食品中のオクラトキシンAの規格基準の設定について

かび毒オクラトキシンAについて食品健康影響評価を行いました

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